AXIS誌にて連載中の『TAKT PROJECTの東北考』4回目の掲載号が発売中です。
テーマは「『心象』をスケッチする」です。
今回は、宮沢賢治を主題にさまざまなリサーチを行いました。
岩手の大自然を「イーハトーヴ」と呼び、実際に身を投じることで創作活動を行なった賢治。
自身の創作物について賢治は「これらはみんな到底詩ではありません。(中略)ほんの粗硬な心象のスケッチでしかありません」と書いています。そしてまた「これらのわたくしのおはなしは、みんな林や野はらや鉄道線路やらで、虹や月あかりからもらってきたのです」とも語っています。
文豪というと、部屋に籠り黙々と推敲を続ける……そんなイメージが湧いてくるものですが、賢治は紙とペンを携え外に飛び出し、スケッチをするように言葉を記していったのだそうです。
「心象のスケッチ」とは何か?
そして、自身の創作物を「もらってきた」と表現する賢治の真意はどこにあったのか?
そんな思いから、賢治が生まれ育った花巻をはじめとする岩手県各地を訪れました。