「つくる」をつくる。
過去の曲や音源の一部を引用して新しい曲を作りだす、音楽におけるサンプリング技法のように、既製品を引用し、3Dプリンターで制作したオリジナル部品を組み合わせ、全く違う用途で使用したり、より自分らしい使い方を追求する、製品との新しい関係性の提案。この時3Dプリンターは、その可能性を飛躍的に高める音楽機材のように考える事が出来る。プラスチック製品と の勘合部品や、既製品特有の規格サイズを利用した部品を3Dプリンターで制作する事で、3Dプリンター時代の新たなサンプリングが生まれる可能性が広がっていく。このような視点で考えると、店頭に並んでいる製品は完成品ではなく、半完成品、つまり、創造のための素材と捉え直すことが出来る。
この視点の変化こそが、このプロジェクトを通して私たちがデザインしたかったものであり、「消費者」「メーカー」 という二者択一ではなく、その両者をつなぐ中間にこそ、物を取り巻く新たな創造の可能性があるのではないかと 考えている。