273488887最新技術に自己の文脈を見出す

最新のテクノロジーが、最新のプロダクトを生み出すわけではない。テクノロジーを、自己の文脈と接続し、さらに拡張するものとしてどのように位置付ける事が出来るか？ そんな問いこそが重要だと考えている。SWAROVSKI と、世界初の3Dプリント“クリスタルガラス”を使ったプロダクトを生み出す事になった。さまざま な形状を持つSWAROVSKIのクリスタルガラスだが、その本質は“光そのもの”であると解釈した。数時間で完成する3Dプリントの特徴と、一晩で成長する霜柱に共通点を見いだし、氷の結晶のような優しい光を放つオブジェをデザインした。3Dプリンタ特有の積層痕を、ネガティブなものではなく、新しい光の反射を生み出すものとしてポジティブ にデザインに取り込む事で実現した。また、積層される事でプリン トされる姿は、霜柱の成長過程の様であり、複数を並べて生まれる光の景観は、まさに地表に出来た霜柱の様である。新しい技術で、新しい光を生み出す。テクノロジーとは素材であり、そこに自己の文脈を見出してこそ新たな価値を生み出す事が出来る。

* Crystal by SWAROVSKI.　
* Swarovski: 1895年にオーストリアのチロル州で創業したクリスタル・ガラス製造会社。

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