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問いをつくる事から始める

ユニットを自由に組み合わせてカスタマイズすることで、あらゆる空間にフィットする室内緑化システム。
オフィスや商業・医療施設などにおける緑化に対するニーズは高いが、実際に十分な緑化を行っている比率は低い。その状況を分析、植物にとって2つの「居場所の無さ」を解決すべき問いとして定めデザインを行なった。
1つ目は、「物理的な居場所の無さ」である。効率的な空間利用が求められるオフィスや商業・医療施設において、一般的な植木鉢では、植物の数だけ床面積を占有してしまう事が大きな問題である。そこで、積み上げるブロックの様な植物鉢を考案した。「置く」ではなく「積み上げる」事で、限られたスペースを効率よく緑化を行う事が出来る。また、ユニット本体の縦横が等倍で設計されているため、空間に応じて自由に積み上げる事が可能であり、パーテーションとしての設置や、動線づくりも思いのままに、空間にフレキシブルなレイアウトを生み出す。
2つ目は、「心理的な居場所の無さ」である。緑化には、植物の手入れが欠かせないが、その手間が心理的に大きなハードルとなっている。公共の場では特に、植物の所有を明確にする事が難しい事も影響している。そこで、自動灌水システムが組み込めるデザインとした。ブロックのように、ユニット本体の縦横が等倍で設計されているため、自由に組み合わせた後にも、水の通路を効率よくレイアウトし設置する事が出来る。これにより、定期的にタンクに水を補充するだけで、毎日の水やりの手間を省くことができる室内緑化システムとなった。
室内緑化が進まない状況を分析し、問いを立て、植物にとっての2つの居場所をデザインする事。それは、植物鉢のデザインから始めるデザインではなく、問題を見いだし、解決するためのデザイン。問いを立てるデザインから、これまでに無い新しい緑化システムが生まれた。